資金繰りに悩み、ファクタリングの利用を検討している方の中には、「3者間ファクタリングって具体的に何？」「2者間ファクタリングとは何が違うの？」「どんな場面で3者間ファクタリングを選ぶべき？」と疑問を持つ方も多いでしょう。
そこで本記事では、2者間ファクタリングとの違いや、3者間ファクタリングの利点・欠点、さらに3者間ファクタリングが適しているケースについて詳しく解説します。
資金調達方法としてファクタリングを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
まずは基本を確認！3者間ファクタリングとは何か
3者間ファクタリングとは、「利用企業」「ファクタリング業者」「取引先企業」の3者が契約を結ぶファクタリングの形式です。
利用企業は、取引先企業に対してファクタリングを利用する旨を説明し、同意を得る必要があります。そのため、資金化までに時間がかかる傾向があります。
しかし、3者間ファクタリングには「手数料が低い」「審査が通りやすい」といったメリットもあるため、時間がかかっても売掛金に近い額を受け取りたい場合には適しています。
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何が違うのか？3者間ファクタリングと2者間ファクタリングの比較
ファクタリングには、3者間ファクタリングの他に2者間ファクタリングも存在します。
ここでは、2者間ファクタリングの概要と、3者間ファクタリングとの主な違いについて解説します。
2者間ファクタリングとは
2者間ファクタリングとは、「利用企業」と「ファクタリング業者」の2者だけで契約を結ぶファクタリングのことです。取引先企業は契約に含まれないため、事前の同意も不要です。
また、取引先企業にファクタリングの利用を通知しないため、知られることなく資金調達が可能です。
2者間と3者間ファクタリングの主な違い
2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの違いは、以下の点が挙げられます。
手数料の違い
2者間ファクタリングの手数料相場は「8%～18%」、一方で3者間ファクタリングは「2%〜9%」となっています。
このように、3者間ファクタリングの方が手数料が低く設定されている理由は、ファクタリング業者が売掛金の未回収リスクを抑えられるためです。
2者間ファクタリングでは、取引先企業の倒産などにより売掛金が回収できなくなるリスクがあります。また、二重譲渡や架空債権のリスクも考慮する必要があります。
一方、3者間ファクタリングでは、取引先企業から直接売掛金を回収できるため、これらのリスクが低減され、その分手数料も抑えられます。
審査のハードル
審査の難易度も両者で異なります。
2者間ファクタリングでは、取引先企業が契約に関与しないため、利用企業と取引先企業の信用力が厳しくチェックされます。その結果、審査が厳しくなる傾向にあります。
対して、3者間ファクタリングでは取引先企業も契約に参加するため、売掛金の存在確認が容易で、未回収リスクが低減されます。そのため、審査に通りやすくなります。
取引先への通知の有無
2者間ファクタリングでは、取引先企業にファクタリングの利用が通知されることは基本的にありません。そのため、取引先に知られずに資金調達が可能です。
一方、3者間ファクタリングでは、取引先企業の同意が必要となるため、利用を知らせる必要があります。
売掛金回収の流れ
2者間ファクタリングでは、取引先企業からの入金後、利用企業がファクタリング業者に返済を行います。
一方、3者間ファクタリングでは、取引先企業が直接ファクタリング業者に支払いを行うため、利用企業は返済の手間が省けます。
意外と知られていない？3者間ファクタリングのメリット
3者間ファクタリングを利用することで得られるメリットは以下のとおりです。
1.手数料が低く、資金効率が高い
3者間ファクタリングは手数料が低いため、売掛金に近い金額を手にすることができます。
例えば、100万円の売掛金をファクタリングに出す場合、2者間と3者間で以下のような差が生じます。
【2者間ファクタリング】
売掛金：100万円
手数料：8万円～18万円
受取額：82万円〜92万円
【3者間ファクタリング】
売掛金：100万円
手数料：2万円〜9万円
受取額：91万円〜98万円
このように、3者間ファクタリングの方が手元に残る金額が多くなります。
2.審査が通りやすい
3者間ファクタリングは、取引先企業も契約に参加するため、売掛金の存在や取引の実態を確認しやすく、審査がスムーズに進みます。
3.売掛金の回収業務が不要
取引先企業が直接ファクタリング業者に支払いを行うため、利用企業は回収業務から解放されます。これにより、業務効率が向上し、資金繰りの管理が楽になります。
4.個人事業主でも利用可能
3者間ファクタリングは、債権譲渡登記が不要なため、個人事業主でも利用できます。これにより、法人化していない事業者も資金調達の手段として活用できます。
5.信頼性の高い業者が多い
大手企業がサービスを提供していることが多く、安心して利用できます。ただし、最低利用額などの条件がある場合もあるため、事前に確認が必要です。
注意点も知っておこう！3者間ファクタリングのデメリット
3者間ファクタリングにはデメリットも存在します。以下で詳しく見ていきましょう。
1.取引先企業に知られてしまう
ファクタリングの利用を取引先企業に知らせる必要があるため、「資金繰りが厳しいのでは？」と不安を与える可能性があります。これが原因で取引関係に影響が出るリスクもあります。
2.資金化までに時間がかかる
取引先企業の同意を得るプロセスや、手続きが増えるため、資金調達までに時間がかかります。急ぎで資金が必要な場合には不向きかもしれません。
こんな場合は3者間ファクタリングが最適！利用が好ましいケース
以下のような状況に当てはまる場合、3者間ファクタリングの利用が適しています。
初めてファクタリングを利用する場合
信頼性の高い大手業者が多いため、初めての利用でも安心です。
手数料を抑えたい場合
低い手数料で資金調達が可能なため、コストを抑えたい場合に適しています。
取引先企業と良好な関係がある場合
取引先企業がファクタリングの利用に理解を示してくれる場合、スムーズに手続きが進みます。
資金調達に多少時間がかかっても問題ない場合
手数料の低さを重視し、資金化までの時間に余裕がある場合に適しています。
3者間ファクタリング利用時の重要ポイント
トラブルを避け、スムーズに資金調達を行うために、以下の点に注意しましょう。
ファクタリングの正しい理解
ファクタリングの仕組みを正しく理解し、取引先企業に適切に説明することが重要です。誤解を招くと、承諾を得られない可能性があります。
信頼できる業者の選定
悪徳業者に騙されないよう、実績や評判を確認し、信頼できるファクタリング業者を選びましょう。
- 見積もりに不明な費用が含まれていないか
- 手数料が相場とかけ離れていないか
- 契約内容に不審な点がないか
これらの点に注意し、安心して利用できる業者を選ぶことが大切です。
まとめ
3者間ファクタリングは、「利用企業」「ファクタリング業者」「取引先企業」の3者で契約を結ぶ資金調達方法です。
手数料が低く、個人事業主でも利用可能なため、資金繰りに悩む方にとって有効な手段となり得ます。
取引先企業との関係性を考慮しつつ、資金調達の一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
